カトマンズと京都
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あれは確か、6〜7年前の事、、、
ネパールのカトマンズ。
お香の強い香りが立ちこめる、混沌とした街の路地裏で。
どうしてか、
鍵型に光が抜けて行くように感じる、
細い細い路地に佇む小さなカフェ。
私は1冊の本を、夢中で読みふけっておりました。
それは今では、アニメにもなっている、
森見登美彦さんの有頂天家族という本でした。
”千年の都・京都。
ここでは古来より、人に化けた狸と天狗が、
人間社会に紛れて暮らしていた 。
そんな狸の中でも下鴨神社の糺ノ森に暮らす下鴨家の、物語。”
あまりに面白く、時に愛情あふれ、
笑いをこらえつつ、時に涙ぐみながら、
いつしかすっかりと物語の中に入り込んでいき、、、
自分がカトマンズにいる事も忘れ、
京都の狸や天狗の物語の中に、空想が膨らみ、、、
数日かけて読み終えると、
私はその本を無くしてしまいました。
何処かに置き忘れたのか、、、どうしたのか?
大事な仕事の事も書き留めたので、
どうしたものかと思っていた所。
しばらくしてから、
ホテルに設けられた、ゲスト用の本棚で、
その本に再会しました。
あの時の、私の走り書きが記されていたので、
自分が無くした”その本”だとすぐに分かりました。
この偶然も、きっと必然。
パラパラとページを捲りながら、
天狗や狸たちの痛快な物語に、再び引き込まれていき、、、
同じカフェに行き、再び京都が舞台のその本を読みふける。
2度目が読み終えた時、
私の、空想が始まりました。
私の石達を、京都で並べてみたい、、、
人に紛れた天狗や狸が見に来てくれたら、
ものすごーく面白いのに!
石のように見えるけれど、
本当は純粋な光だってわかるかしら?
などと、
空想なのか願望なのか分からないけれど、
何処からともなく溢れてくる思いがあり、、、
本を片手に、思い耽っていると、
在る瞬間に、
あ、今空想の域を超えた気がした!
と思う瞬間がありました。
しかしながら、
当時は結婚をしてネパールに身を移したばかり。
そんな事は、自分の現実とは遠くかけ離れていたので、
空想にとどめて、
ミントがギュウギュウに入りすぎている、アイスティーを飲んでいた。
表では、バイクのクラクションが鳴り響き、
埃立ち込める中人々が行き交う、
混沌としたカトマンズの街中で、
京都の物語に強い思いを馳せて、、、
その後、あまりにも不慣れな生活に、
人生に一抹の不安を抱えながらも、
自分の決断を信じることとし、
ネパール暮らしに没頭していきました。
ネットショップ店長の私を、
停電の波が襲いつづけ、電源確保に右往左往。
命綱でもあるWIFIが切れまくる、サバイバルな生活に忙殺され。
京都の夢物語の事は、すっかりと忘れていきました。
その後、
人生は思いもよらぬ展開が、流れるように展開を重ねていき、、、
つい先日。
私はネパール人の夫エリックの仕事を手伝う傍ら、
京都のミネラルショー、「石不思議大発見展」に出ておりました。
夫のHimalayangem'sNepalで、ヒマラヤ水晶の傍らで、
私の石も並べ、、、(↑開店準備中)
出展させてもらうのは、今回が2度目。
一度目の時は、初めてでとても緊張していたのか、
思い出しもしなかったのに、、、
今回、自分の並べた石を、ショーケース越しに眺めながら、
人足も遠のいた静かな時間に、ボーっとしていると。
一人の通りがかりのおじさんが、私をからかいました。
「それちょうだい、
アレ、石かと思ったら、人かいな!
あかんで、アンタ、そんなところで石の振りしよったら。」
ケラケラと笑いながら、
通りがかりのその方とおしゃべりを楽しむ間に、
私の意識の中で鮮明に、
あのカトマンズの路地裏のカフェで、
読みふけった本の事を、狸や天狗の織り成す物語を思い出し。
空想の域を超えた!と思う程、強く思った、
京都で石を並べてみたい、、、という思いを、
何故か急に思い出してしまい、、、
あれから何年も経っているというのに、
まるで、カトマンズのあのカフェと、
今ここが、同時に起きている錯覚に陥り。
時間と空間は一体どこへ消えたんだ!と、
一瞬クラクラとした体験がありました、、、
自然に溢れてくるような強い思いは、
時間と空間を超えるのか?などと思いながら、
その後、
その場にいる事自体が、スゴイ事のように思えてきて、、、
とてもありがたい時間を過ごすことが出来ました。
京都ショーでお立ち寄り下さった皆様、
心より御礼申し上げます。
ショーが終わると、
鞍馬山にも行ってきました。
駅を降りると、巨大な天狗の顏に遭遇。
ワーイ!念願の天狗に会えた!と、
鞍馬山を木の根道も通って歩き倒し。
思いがけず、
カトマンズと京都が、
私の中で数年の時を経て出会ったように思う、
出来事でした。
このブログを書くにあたり、
久々に有頂天家族をネットで検索すると、
2冊目が出ているではないですか!
次にカトマンズに行く時に持っていき、
またあの同じカフェで読みたいな、と思う次第。
カトマンズ&京都
LOVE
ミーア
- 2017.10.12 Thursday
- 23:01
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